2019.11.17〜11.24

11月17日

夢日記はやめたほうがいいよ、気が狂うよ、と言われてもそんなバカなと思って書き続けているが、なぜやめたほうがいいのか薄々わかってきてしまった。しかし、かといって夢日記をきっぱりやめるのも嫌で、対策として現実日記も書くことにした。公開するのは、もし私が現実と夢とを明らかに混同している節が読み取れたら読者のみなさまに指摘して欲しいからだ。すみませんが宜しくお願いします。夢日記のほうの公開は検討中。たぶんしない。

 


11月18日

仕事終わりピカデリーに駆け込んで映画『人間失格』を観た。最終日だったみたい。あまり太宰の映画ではなくて、個人的にはイマイチだったけれど、俳優さんはみんな素敵で見応えはあった。酷評はできないなあという感じ。例えば俳優さん目当てでこの映画を観たどこかの女子高生が、太宰に興味を持って小説を読んでみて、自分の中にある仄暗い部分を少し許せたり、気持ち的にちょっと救われたりしたらいいなと思う。

 

中3のときに太宰にはまって、太宰の小説に何度も救われてきた女だから、本当につらくて死をも意識していた時期には太宰が死んだ川(遺体の発見された三鷹のあたり)を訪ねたことがある。かつては飲まれて死ねるくらいの濁流だったのだろうが、現在では整備されかなりのどかな小川になっていて、ほんと足首かふくらはぎくらいまでの水深でぴちゃぴちゃ〜〜ってかんじ。小鳥とか来てて。子供もそこらへんで遊んでて。本当に笑えた。まじでそれまで悩んでたこと色々バカらしくなって死にたいとかあんまり思わなくなった。太宰さん、あんたばかだよって思って、心の底から感謝した。中学で太宰にはまったりしなかったらもうちょっとキャピキャピと呑気に幸せに生きてたのかな?ってちょっと憎たらしく思うこともあるけど、太宰が好きだからこれからも嫌いにはならない。だからああいうアプローチの映画になるのもわかるよ、と思った。

 


11月19日

ガストでビールのつまみにポテトフライを頼んだことで「子供みたい」と言われ納得がいかない。

 

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11月20日

午後から仕事だった。午前中に写真を現像に出した。今回はKodakのGOLD200というフィルムを使ってみてた。結構好みの写り。京都行った時に使ったロモグラフィの400も面白かったけど、現像に1週間とか2週間かかるのがな。追加料金もかかるし。あとやっぱlomoの世界観になってしまうのでシチュエーションを選ぶ。わたしみたいな日々の思い出写真にはあんま向かないのかも。同じフイルムがあと2本あるから使うけど。

 

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11月21日

夕方から仕事だった。ひさびさに会う方に、太ったねと言われた。酒太りだと思う。なんやかんやで毎日お酒のんでしまう。夏前に漬けた梅酒もちびちび飲んでいる。けっこう美味しくできた、と思う。

 


11月22日

無印良品週間って前からこんなに頻繁だったっけ?中間期末の定期テスト期間くらいのスパンのイメージだったけれど、最近はスーパーのポイントアップ期間くらいの頻度で良品週間な気がする。去年の冬にもよく飲んでいたチャイの粉、タコライスの素、小さいビューラーを買った。あと前に買った「自立するポーチ」というのがサウナに行くとき洗面グッズをいれていくのにすごく便利なので色違いをもうひとつ買った。小さいビューラーはやはり使うのがちょっと難しかった。持ち運びにはすごく良い。これもサウナのあとお化粧するとき用。タコライスの素は興味本位で買ってみた。私タコライスって食べたことないかも。記憶に無いだけかもしれないが。

 


11月23日

早朝タクシーで実家に帰って倒れるように寝た。最近昼から深夜までの仕事が続きあまり眠れてなかったせいか肌荒れがひどい。そのことと、深夜仕事終わりのテンションもあったのだろうにタクシーを待つ間に家庭用美顔器を勢いでネット注文していた。昼に起きて、そういえば、と思い出し、30歳っぽくて笑った。

 


夕方、完全新装オープンした渋谷パルコでAKIRA展。予約時間の30分前に集合し、時間がきたら整理番号順に呼ばれて入場するのだが、整理番号1番で呼ばれた人がすごく誇らしげな表情で歩んで行ってかっこよかった。私は15番だったから普通にわくわくした感じで入場したと思う。展示物はPARCOが工事中だった時の仮囲いに描かれていたものなので、客の多くは物販目当てのようだった。相当並んでいて、時間があまりなかったのでグッズ購入はAKIRAめた。

 

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11月24日

Oパイセンが熱を出して寝込んでいる。インフルエンザかな?昼にはじめて味噌煮込みうどんを作ってみたけれど、味噌煮込みうどんたぶん食べたことないから正解がわからなかった。昔、親がほうとうのことを「壮大な味噌汁」と言っていたのを思い出した。親はマカロンのことを「外国の人が考えて作った最中」と言っていたし、そういうところがある。

冷やしばら

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かえりみち、駅までとぼとぼ歩くとき、近頃はいよいよ空気がツンと張りつめて、風も冷たく、ああつらいつらいよ。せなかがきゅうっと縮こまって、こころもかたく弾まなくなって、ダメになりそう。ついこの間まではお風呂上がりに下着のまんま寝っ転がって本を読んだりしてたのにさ、今はもうそういうの無理でしょう。あの日の風が、どれほど滑らかだったか。呼吸のしなやかさ。ぜんぶわからなくなりそうだ。

マンションの近くの民家で、玄関先に出された秋咲きのばらの鉢植えが、わずかな外灯に照らされているのを見ました。花びらが2枚ほど落ちて、アスファルトの、ひんやりしてそうなところにはらりと倒れて、さっきまでじぶんのいたからだに、鋭い棘があるのを見ているらしかった。わたしはそれを立ち止まりもせずに見て、ううー風が冷たいわって通り過ぎたくせに、ぜんぶわかった気になっているよ。寒くなるのが本当にこわい。

iPhone -11

あたらしく出るiPhone、カメラが3つ4つも付いているらしい。しかし最近はiPhoneでぱしゃぱしゃ撮る写真に飽きつつあり、それではじめたフィルムカメラ。その現像待ち1時間。写真屋のそばの喫茶店でぼーっとしていると、微睡みのなか脳裏にスティーブ・ジョブズが現れて、「目に焼き付ろ」と言った。それからコーヒーをすすり、目玉焼きをつるつる食し、またコーヒーをすすって、消えた。成仏してないのかな。

 

フイルムの写真はちゃんと写っていた。

 

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鍵をみつけたので、あんまり開けてはいけなさそうなところをあけてしまったら、一体全体どうしたの、というくらい無数のだんごむしの亡骸、というか、だんごむしの死が転がっていた。だんごむしの死、とても白かった。わたしは、あんなにナチュラルに白いものを久々にみたからおどろいてしまった。久々? 

わたしのふだん見ている、世に溢れている白は、ああゆうんじゃなくて、もっと、わざと? わざわざ? 白くしている。でも嘘ではない。白、そういうものだ。白くするもの。華々しく、潔いまでに、まっさらにするもの。でも、だんごむしの白は違った。白だけど、そうじゃなかった。素朴な、含みのある、ただの白であった。

 

久々?

何がこんなふうに白かったんだっけ。

あまりよく覚えていない。

 

もしも明日が晴れならば、

 8月、ここには何も書かず終わってしまった。8月、あっという間に過ぎていった。短い夏。年々短くなっていってる感じがある。私が長ーく生きたから?

 

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 一昨日の晩、台風が来ててものすごい風雨。活きの良い風の塊がそこいらじゅうにぶつかりまくって、だいぶ荒れていた。窓なんかガタガタ言わされちゃって、割れるか外れるかするんじゃないかと心配で(あとうるさくて)まともに眠れやしない。こわいので部屋の明かりを小さくつけたまま布団に入り、カーテンのドレープをぼんやりなぞるように眺めながら、ずっと風の音を聞いていた。時々、葉っぱなのか枝なのか虫なのか、それなりのものが窓にバチッとぶつかる音がする。蝉とか蝶とかクワガタとかが風に煽られて、空中をぐるぐる回ってしまっているのを想像したら不憫だった。向かいの家の庇の上でいつも寝てる野良ネコのことも心配だった。それから、夏も終わるのだろうな、と思った。

 台風、いつも夏の終わりにやってきて、残りの夏を攫っていく。毎年そうやって、まるで舞台の装置転換みたいに、嵐が過ぎるとすっかり秋の情景が出来上がっている気がする。きっとこの嵐が去ったら、虚しいほどに澄んだ秋晴れ。鱗雲。虫がちろちろそこいらじゅうで鳴くのに、耳に染みてくるような静けさ。

 

 明け方と朝の間くらいに嵐は過ぎていったようで、いつのまにか眠っていた。7時ごろ目覚ましに起こされてベランダに出てみたら、もうあっさり晴れていた。でも台風一過によくあるような、さも何事もありませんでした〜みたいなピーカンではなく、ちょっとは申し訳ないと思ってるのかな、くらいの控えめな青空。野良ねこはいつも通り庇の上で寝ていたけれど、なんだか疲れているような印象。全く大変だったんだよと文句のひとつでもいいたげに、尻尾をぶらぶらさせてくうくう寝ていた。どこで嵐をやり過ごしたのだろう。

 

 電車は倒木やら点検やらでまだ動いていないようだったので、仕事には自転車で向かった。少し漕いだだけで暑くて暑くて。汗がどばどば出て、自転車ごと冷たいプールに飛び込みたいと思った。途中でアイスを買った。夏、攫われなかったみたいだ。あんまり嵐に吹き晒されたもんだから、連れていかれるまえにどこかに引っかかって残ったのか。とにかく、よかった。今日からもまた夏をやる。

 

 

p.s.

定期的に相米慎二監督の映画『台風クラブ』を観たくなったり、人に見せたくなる時がくるので、いっそDVDを買うべきか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梅雨明け間近、夏の縁。

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 久々に青空を見た感じがする。紛うことなき夏の空だった。

 朝から洗濯機3回まわした。シーツとかバスマットとか全部洗った。ここのところ天気がいまいちだったので、ずっとめちゃくちゃに洗濯がしたいという気持ちだった。「梅雨でジメジメしていてすっきり乾かないな〜」とか「せっかく洗濯干してたのに突然の雨でまた濡らしてしまった……」とかのフラストレーションが溜まりすぎると「めちゃくちゃに洗濯がしたい」という目も血走るような気持ちになるんだなと知った。そういう梅雨だった。関東はまだ梅雨明けしてないみたいで、早くしてほしい。

 洗濯機をまわす間に掃除機をかけたら汗だくになった。麦茶を作って、氷をたくさん入れて気が済むまでゴクゴク飲んだらほとんどなくなったからすぐ追加で作った。今年まだつけていないクーラーのフィルターも掃除して、いつでもつけていい感じにしたけれど、ベランダの窓だけじゃなくて反対側の小窓も開けたら風が抜けて結構涼しいことに気付いたので結局昨日はつけなかった。昼ごはんはよく冷やしたトマトと冷麦にした。トマトにはオイリーなドレッシングをかけてしまうとなんか暑苦しくなるので、何もつけないで食べるか頂いたフランスの塩を少しかけて最近は食べている。午後はフジロックの生配信を見ながらすこしビールを飲んだり、読みかけの本を読んだりして過ごした。シャワーを2回浴びた。最後に冷水を浴びると水風呂に入ったあとみたいになって、上がってからも涼しいよ。

 つまりまず家でできる夏を始めた。せっかくの夏空だったから出かけたかったけど、油断はならない。いつ急に雨が降るかわからない。とにかく今日という休日は「めちゃくちゃに洗濯がしたい」という想いひとつを叶えるために設定された1日のようなものなのだから、失敗は許されない。急な雨が降ろうものなら即座に取り込んで、絶対に洗濯物を濡らさない。そして雨が降らなくても、ベストなタイミングで取り込んで絶対に湿気させない。絶対にカラッと乾かす。そのためにはお出かけを諦めることも容易だった。そんなに洗濯したかったんだ私。

 案の定、昼と夜に急に雨雲が立ちこめて、ザーッと激しい雨が降った。出掛けなくてよかった。明日は出掛けたいな、あととうもろこしを茹でて食べたい。

 

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今週のお題「夏休み」



 

tomato

 へんな時間に寝てしまったので今ねむれない。

 窓を開けたらまた雨のにおいがして寒く、すぐに閉めた。7月なのにいつまでも夏が来なくて、さみしい。サイダーの瓶のなかにはいってるビー玉。あれの中にいるみたい。あんまりだらだらと梅雨空が続くので、別に雨が降っているわけではなくても空がどんよりしているというだけで雨粒の幻を見るようになってきてしまった。なにもないのに手のひらを開いて空と水平にしてみたり。

 いつも近くの八百屋でトマト3個パックのやつを買うんだけど、この冷夏のためか今日は普段より30円ぐらい高かった。家にトマトがないと不安になるからそれでも買うけれど、こうなるならベランダでトマトを育てておけばよかったと思った。鉢植えにしておいて、涼しすぎる夜などは部屋に招いてもいい。(トマトは風のない部屋の中に入れられるの嫌かな。)どちらにせよ陽が出ないことにはトマトが育たないので、困っている。いまもどこかにいるトマト、育って。

 トマト。いつの間にかトマトがすごく好きになっていた。わりと最近のことだ。実家を出てからかなあ。父は昔からトマト大好きだったから、実家の冷蔵庫には常にトマトが入ってたけど、わたしはほとんど食べなかった。トマトについては、まあ、夏場に居酒屋さんに行ったときメニューに冷やしトマトがあったら嬉しいかなあ、くらいのほのかな好感を抱いていた程度だ。でも今では冷蔵庫にトマトが入ってないとさみしくて落ち着かなくなるくらいにはトマトが大切だ。かつては父が毎日のようにいろんなトマト買ってくるのめっちゃ謎だなと思っていたけれど、今なら父のその気持ちが手に取るようによくわかる。我が家の父方の血にはトマトが混じっているのかもしれない。

 そういえばそうだ。数ヶ月前、久々に実家に帰ったときにふと冷蔵庫をあけたとき、冷蔵庫にはやっぱりトマトが入っていた。他には父の好きなりんごとかオレンジとかの果物もぽつぽつと。その、鮮やかな色の丸みのあるものたちが冷蔵庫のなかにころころと入っている景色がとても懐かしく、しばらくじっと見入ってしまった。その中でトマトの鮮烈な赤色をうつくしいと思った。たぶんあのときからトマトがすきだ。トマト、冷蔵庫にいつもあってほしい。

 

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